嫁「こんなことで好きになるなんて都会の人は怖い」
学科の途中からはその給与さえ実家に送金しなければ弟妹を含む家族が食い詰める状況になってしまい、
精神的にかなり追い込まれていた。
大学で出来た友人も余裕がないか極端に金がある奴ばかりで、「金がない」以上の愚痴は言えなかった。
食堂でお茶だけ飲んで教科書をひろげて座っていた所へ、同じ科で同級だった嫁が挨拶してきた。
そのとき、持っていた菓子を少しくれた。
「菓子なんか食ってもすぐ腹が減る」と理不尽に腹を立てながらガツガツ菓子を食う俺をみて、
「おなか空いてるの?」と言って残りを全部くれた。
女の子の前でみっともないのと心配されて嬉しいのとで感情がこみあげて、どうしようもなく話したくなり、
自分の置かれている状況を少し話した。
それを聞いて、嫁は、「無理に聞き出したお詫び」と言ってパンをくれた。
次の日から米がいっぱい入った弁当を作ってきて、
「食べておけばすぐには死なないから、問題のほうが先に消えるかもしれない」と慰められた。
経済的な問題は半年ほどで改善して、自力で食えるようになって、
その頃にはどうしようもなく嫁のことが好きになっていたので用事があると言って呼び出して告白した。
弁当を作ってくれるくらいだから向こうにも好意があるものと思っていたが、
本気で驚かれてお断りされた。
「勉強する時期だから無理」、「知り合いの困窮を知れば食べさせるのは普通」、「食べ物に釣られた?」
「こんなことで好きになるなんて都会の人は怖い」等いろいろ言われた。
卒業をはさんで丸2年口説き続けてようやく交際までこぎつけ、
嫁が自分の実家近くで就職したのに合わせてついていく形で結婚した。
以上、いまでも夢に出てくる馴れ初め。
嫁はもう俺のことを子どもの父親でいつも機嫌のいい同居人くらいにしか認識していないかもしれないが、
俺はどんな形であっても、どうしようもなく嫁のことが好きだ。
愛してるって言ってこいよ
うん、287は愛してる必須だねw
すぐに言ってこいよ。
ツボッた
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